日本語入力だけ大西配列にしてみた

日本語入力だけ大西配列にしてみた

この記事は金沢IT部活 Advent Calendar 2025の7日目の記事になります(実際の投稿日が7日じゃないのはスンマセン…)。6日の記事はtakumiさんの「初心者視点のナニカシラ」でした。

今回は、日本語入力のキー配列だけ大西配列にしてみたことについて

  • 非標準キー配列に挑んだ経緯
  • 大西配列を選んだ理由
  • 大西配列にした感想

という話をします。

非標準キー配列に挑んだ経緯

昨年、効率厨のデザイナーが語る「キーボード」の魅力|好き語りという動画を見まして、ここで非標準配列の面白みを知りました。

実際に大西配列を始めたのは11月19日のことです。日本語入力時だけDvorakJPにする設定を使い始めて約4年になるので紹介という記事に出会いました。この記事がきっかけで非標準配列に挑戦しました。

もともとQWERTYでの入力速度が頭打ちしていて限界を感じていました。より速く効率的に、そして手への負担を極力減らしたいなと思ったらQWERTYやめても良いんじゃないか?と思ってはいました。

しかし、既にVimキーバインドを好んで使ったり、ショートカットキーを多用したりと、文字入力以外のところでQWERTYに強く依存していました。特にVimキーバインドが致命的で、変更先の配列に合わせてキーバインドを書き直す必要を感じました。そういう都合で非標準配列に興味がありつつも、導入を見送っていました。しかしIMEのローマ字テーブルを書き換えるやり方なら、システム上では物理キーと論理キーは一緒のため、ショートカットキーやVimキーバインドに影響はありません。このやり方は自分の要件にあっていました。

その他に、日々持ち歩くPCをより変態的にすること自体を楽しんだり、話の種にできれば面白いなというのも移行したかった理由です。

大西配列を選んだ理由

世間には様々な配列があります。これもまた大西拓真さんが開催しているAlternative Typing Contestには様々な配列が登場します。人によってはキーボードや入力デバイスを自作している人もいます。そんな様々な非標準配列がある中、僕が日常使いするための要件として

  • 特別なハードを必要としない
  • 入力効率が高い

という2点を設定しました。1つ目「特別なハードを必要としない」は日常使いするために追加のハードを持ち運ぶのは面倒だということ、お金はかけたくないこと、論理キー配置変更で済ませたいということなどが理由です。2つ目「入力効率が高い」は、せっかく変えるなら大きく変えてしまってでも、効率を最大まで上げてやりたいなという思いがあったからです。

上記の2つの要件から、巷で広く知られているDvorakやEucalyn、大西配列辺りが候補になりました。IME設定で日本語だけ配列を変えるので、せっかくなら日本語に最適化されている大西配列一択じゃないかと思いました。また大西配列の公式サイトには定量的な分析とともに大西配列の優秀さが主張されていました。数字に裏打ちされた効率性に好感を覚えました。

しかし、DvorakにはIMEのローマ字変換テーブルがあるのですけど、大西配列には僕が探した限りありませんでした。大西配列を諦めようかなと思ったのですけど、ローマ字変換テーブルをよく見てみると、単純な置換で表現できそうなことに気づきました。手作業で全てのアルファベットをちまちま置換するのも馬鹿らしくて間違う危険もあるのでGitHub Copilotに置換テーブルから自動で置換するPythonスクリプトを書いてもらいました。置換テーブルだけは覚えるためにも自分で書いて、日本語IMEにてJIS配列を大西配列に変換するローマ字変換テーブルが出来上がりました。かくして、ローマ字変換テーブルがないという障壁はなくなり、無事に大西配列を導入できました。

大西配列にした感想

手の動きが大幅に減りました。QWERTYだとバタバタしている感じですが、大西配列はスマートな印象です。むしろタイピングは手を一生懸命バタつかせてやるものだと体が覚えているので、大西配列でも大げさに動かしてしまいがちです。

もちろんですけど、新しい配列に慣れるのはそれなりに大変でした。軽い苦痛すらも伴っていました。それでも、一週間もすればある程度は慣れることができました。大西配列を導入したのがテスト週間前だったので、講義のレポートも一部大西配列で書いて、いい練習になりました。

練習方法ですが、配列がIMEに依存するため寿司打マイタイピングで練習できません。そのため最初はNeovimにGeminiに生成させた運指練習専用文字列を打ち込んでいたのですけど、 退屈で辛かったので、思い切ってよく聞く音楽の歌詞を打ち込むようになりました。またAlternative Typing Contestのために開発されたATC Testerもいい練習ツールです。

予測変換は配列移行した初期にはノイズなので僕は切ってしまいました。予測変換を切ったら、タイピングだけに集中できて、より練習が捗るようになりました。ただやっぱりまだ、QWERTYのほうが速いです。もっと練習せねば!

まとめ

YouTubeの動画で非標準配列を知って、IMEのローマ字変換テーブルを書き換える方法に出会い、変換テーブルを自作し、大西配列を導入した話でした。